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たけやだより vol.49 その1

 《きれいになったぁ》
 「きれいになったぁ~。見違えるようにきれいになったぁ~」と、久し振りにお会いするご近所さんから声を掛けて頂きました。
店の垣根のことです。
 始まりは、造園業を営む友人が家に来た時に、「この貝塚(本当はカイズカイブキと言うそうです)も、薮くれちゃって・・・」などと話しますと、
彼は、「本当ですね」とさらりと応えてくれました。図星ながらも「やっぱりそんなに見苦しいんだな」と小さなショック。
「どうしたらいいんでしょうかねぇ?」と尋ねると、
「私なら、このカイズカを全部切って、フェンスも取り払って、御簾垣にしますね。内側も全部やり変えて、川砂利を敷いたりして」
全く思いも寄らない事でした。
カイズカを無くす?「カイズカを何とかする」という発想しかなかった私は、びっくりして、やがて嬉しくなりました。
「そんなこと考えてもみなかったです。」と言いつつ、「ミスガキ」って何?
ですよね。
「アルミの柱を立てて、すす竹を使ったら良くなると思いますよ。半永久的です。」
それからはあれよあれよと話が進んで、
お願いすることになりました。
たけやにある桜は、店主の母が植えてくれたもので、四十年を越しています。
私達は母の名前をつけて「イセ子桜」などと呼んだりしていますが、大きく美しい枝ぶりは大のお気に入りでした。
けれども今回、一部を切らねばならなくなり、「これで見納めよね~」なんて思っていましたが、
一枝だけを切ることになり、角度を変えれば、まだまだ桜は頑張っています。
前の家の奥様が、「この桜を切られたら困る。子供の入学の時も、節目節目にこの桜の木の下で写真を撮ってきたんだから」と言って下さり、本当に嬉しかったです。
こうして人知れず皆さんと一緒に育ってきた桜。葉は散るわ、花軸は散るわで、
迷惑ばっかりかけてきたと、心苦しく思っていましたので、役にも立っと安心しました。
今回撤去されたカイズカは、四十年ほど前に引っ越してきて何も無かった庭に、私の母がフェンスの内側に植えてくれたものでした。
フェンスは父が小さな孫たちを守るため、桜やカイズカは心の潤いのため、ひとつひとつに愛情が感じられ、今更ながらに、
「お父さん、お母さん、有難うございました。」
離れから見える所に山桜が居ます。
「この桜は家の基礎に悪いので切りましょう」と造園主。
「イヤイヤ、この桜だけは残して下さい」と声を上げたのが料理人の息子。
「他の木は全部なくなっても、この山桜とお節に必要な南天だけは残して下さい。
この山桜はようやくここまで大きくなったんですよ。思い入れがあります。
家が駄目になる時には、自分が切ります。」ということで温存。
 今ではすっきりしすぎて少々寂しくもありますが、手入れが出来ない私にとってはこれがベスト。

造園主は「もっと、こうもしたい、あそこも」というお気持ちがあられたようですが、何せ予算と言うものがあり、仕方ありません。
 もともとの願いは、「全方位ようこそ」の気持ちでお客様をお迎えしたいというものでした。
離れに通って頂くのに薮蚊がワンワン群がってくるのでは困ります。
部屋の外でタバコを吸われる方にも失礼です。まだまだ整備が必要ですが、
まずはここから、たけや一同心を新たにして、
皆様を「ようこそ」とお迎えしたいと願っております。



  
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